こんにちは、第二次性徴期真っ盛り、ジェンダーレスの飛び火(14歳133か月)です。
みなさん、LGBTってご存知ですか?
同性が好きな人、どっちの性別も好きになる人、自分の心と体の性別が違う人。これらのいずれかに該当する人のことを言います。
詳しくは他の方々に任せるとして、私はいわゆるLGBTの「T(トランスジェンダー)」で「B(バイセクシュアル)」です。
身体の性別は女性ですが、男性寄りの中性(または両性。この辺は他の病気も重なってかなりややこしいんですが……。)と自認していて、さらに性別問わず人のことを恋愛的に好きになります。性別を問わないので、Bですらないかもしれませんが(パンセクシュアルというらしいです)。
専門用語みたいなのばかりになってしまってすみません。
で、この記事では”カミングアウト”がしたかったのではなく、前提をはっきりさせた上で伝えたいことがあるのです。
一人称、女性が「俺」や「僕」を使ってはいけない問題
小中学生のとき見ませんでしたか?
女子クラスメートが「俺」「僕」と自分のことを呼んで、先生や周りから注意・非難されてる光景。
私は結構注意や非難をされました。
特に中学生になってからは、「なんで”俺”と”僕”は使っちゃいけないの?」という私の切実な質問に対して、「”私”を使えばいいじゃん、”私”って男性も使うんだよ」という、本筋から逸れた回答をよくいただいたものです。
この「”女性”の一人称限られてる問題」で15年間くらいずっとモヤモヤしていたんですが、先日ボーっとTwitterをしていたら昔の気持ちが鮮明によみがえり、怒りが爆発しました。それと同時に「何故嫌だったのか」が言語化できたので、ここに残しておこうと思います。(Twitterだけだと流れてしまって後で見直しづらいため)
以下、私のTwitterからの引用です。
「”私”って一人称は嫌だ!俺って言いたい!何故こうして”俺”を制限されるんだ!」と叫んだ第二次性徴期の私に周りの人間はこぞって「”私”は別に女性だけの一人称じゃないよ、男性も使うよ」と諭してきたけど、女性が使う”私”と男性が使う”私”は意味合いが違ってくることくらい本当は分かってるくせに。
— 飛び火 2018年10月10日
第二次性徴期辺りの年齢で一人称に”私”を使う男性がほとんどいないことなんか知ってるくせに。10代中盤の男子が”私”を使ってたら不審がって問題視するだろうに。なのに私には「男性も使うから」って説明する矛盾に気付かないんだろうか、先生もお母さんもみんな大人なのに、なんで分からないんだろう。
— 飛び火 2018年10月10日
人は自分の望む方向に相手を誘導したい時、理由が薄く綻びのあるその理論を絶対的に正しいものとするためにもっともらしい言い訳を頭の中で繰り返して正当化し、多少の矛盾をないことにし、その上でこちらを丸め込もうとする。そういう、自分が正義だと信じて疑いたくない時の人間の顔、本当に不快だ。
— 飛び火 2018年10月10日
心だけ第二次性徴期にタイムスリップしているみたいです、いま。25歳です。
ちなみに、過去の反抗も服装も言動も問題行動も全部記憶にありますが、自分のことを恥ずかしいとは少しも思ってないし、黒歴史はひとつもないのであしからずです。 https://t.co/gWiXAvl2rS— 飛び火 2018年10月10日
女性が一人称に”俺””僕”を使うと痛い・その場の空気が悪くなるという価値観はどこで身につけたのですか? 理由はなんですか?
漠然と駄目だ良くないと言われても何も納得ができないので、もっと論理的に説明をしてほしかったし、私の性自認の違和感を「痛い」で片付けずに真面目に取り合ってほしかった— 飛び火 2018年10月10日
いま私が一人称に”私”を使っているのは大人になったからで、男性も社会的な大人であれば違和感小さめで一人称に”私”を使えるから。
だから決して「大人になっ(て”俺”とか”僕”とか使うのが痛いことだってわかっ)たから」ではないのです。おねがい、間違えないでね。— 飛び火 2018年10月10日
この一連のツイートは、当時はもちろん過去のどの時にも言葉にできなかった痛みです。
さっき急にフラッシュバックしてやっとどういう理由で気持ち悪さを感じていたのか整理できたので、言語化しました。
トラウマを解消するのはなかなか難しいことですが、これは今度は成仏したらいいな。できるかな。— 飛び火 2018年10月10日
理解できなくてもいいから、理解しようとして、こちらが間違っていると決めつけず、諭したりせず尊重してくれる大人がいたらよかったけど、そんなのは大人だけじゃなく人間の中にもめったにいないんだ。そういうのはだいたいすごいレアポケモンなんだ。並の人間にそれを求めるのは酷なことなんだ……。
— 飛び火 2018年10月10日
引用ここまで。
人によっては、「”俺”って言うの、雰囲気悪くなるからやめて」と露骨に嫌な態度を出して言ってくることもありました。大人の人にそれを恨み節で伝えたら、「ああ、でもそれは分かるかも」って言われました。そういう雰囲気になってしまう上にそれが肯定されてしまう文化なら早いこと変わった方がいいと心から思います。
性別は人それぞれ違うっていう概念、浸透してほしいです。私はすごく悲しかったです。
「どうして男子はいいのに飛び火はダメなの!? ねえどうして!?」
この問いに対する回答をする側にはいつも「私が女性であるから」という言外の前提がありました。勝手に決めないでほしい。
この件での私への風当たりが強かった理由の1つとしては、私の場合は男性を好きになることも多いというものが想像されます。
また、性自認が男性側に完全に振り切れていたわけではなかったし、髪が長くて見た目は完全に女性だったし、他の病気(特定不能の解離性障害)もあったので、しょっちゅう一人称が変わっていました。それで”普通の”トランスジェンダーが受ける扱い以上に痛い人扱いされたんだと思います。自分の芯に正直でありたかっただけなんですけどね。
一人称、自由で良くない?
男性も女性もどんな一人称を使ってもいいことにしてほしいです。もちろん今でも使おうと思えば使えるんですけど、いちいち勇気が必要にならないくらい気軽に、普通に使えるようになってほしい。
身体が違うから分けなくてはいけないところ(更衣室とかね)もあるので難しいけれど、一人称くらいならなんとかなるでしょう、というのが私の考えです。
(あまりにもダメダメ言われるものだから、法の網の目を抜けていこうと「それがし」「拙者」「吾輩」など色々検討した時期もありますが、まあ、普通に網にかかってました。)
「なぜ女性が”俺”や”僕”を使ってはいけないんですか?」という私の問いに対して、言い方や回りくどさに違いはあれど「そういうもの」以外の理由で返してくれる大人がいなかったのは、ちゃんとした根拠なんかないからです。理由も分からないくせに「そういうもの」だからと大旗を振って非難してくるんです。
もちろん、マナーとして社会人みんなが”私”を使うことに反抗するわけではありません。でも、自己を形成する大事な時期には、無意味な制止をしないでほしいのです。どうしても制止をしたいのであれば、男子にも一人称に”私”を使うことを半強制するのでなければ私は納得しない(しなかった)でしょう。
そんな、昔のことを思い出したところから始まった一人称の話でした。
ここまで読んでくださってありがとうございます。嬉しいです。
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